トップイメージ

月光の夏

今こそ命の重さを次世代に伝えようー

生きたくても生きることが許されなかった青春

この公演は全国どこへでもお伺い致します。
文化会館、体育館、大会議室、レストランなどをはじめ、学校や集会、地域での上演も可能です。
ピアニストなど上演料も含め、どうぞ積極的に劇団制作部へご相談ください。

あらすじ あらすじ

佐賀県鳥栖市 - 。
戦後45年のこの年、鳥栖小学校の古いグランドピアノが廃棄されようとしていた。
かつて教師をしていた吉岡公子は、そのピアノに忘れられない思い出を秘めていた 。
そしてピアノを平和の願いの証として保存して欲しいという思いから、
全校集会で生徒達にその思い出を語る・・・。
太平洋戦争末期の昭和20年初夏、音楽学校出身の特攻隊員二人が学校に駆けつけ、
今生の別れにベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」を弾き、沖縄の空に出撃していった・・・。

心の目で見る感動のドラマを作者/毛利恒之

朗読劇『月光の夏』は、単なる朗読とは違います。
ベートーヴェンのソナタ「月光」のピアノ演奏と「ドラマリーディング」がおりなす、 新機軸のライブ・ステージです。
かつて、ラジオドラマは「心の劇場」と言われました。 朗読劇もまた、観客の想像の世界をひろげます。のみならず、人間の息吹が伝わる、臨場感のある生の舞台です。名曲の調べとあいまって胸で聴く、心の目で観る、深い味わいの感動のドラマをおとどけします。
戦争犠牲者の鎮魂と平和への祈りをこめて-。

演出するにあたって・・・鈴木完一郎/演出

ピアノ一台と四人の朗読者によるピアノクインテット「月光の夏」
第一楽章は「Largo」、ゆっくり始まる。
二人の特攻隊員と女教師の美しい戦争秘話、つまりこの作品の第一主題がまず冒頭に現れる。
第二楽章は第二テーマ。
ラジオ番組の作家、三池の特攻隊員探しが「Moderato」、いくつかの謎を含みながら演奏される。
第三楽章、東洋的な言い方をすれば起承転結の「転」の部分だ。
テンポは「Andante」、女教師と番組作家の鹿児島県知覧への旅である。一千を超える若い特攻隊員の遺影、深く重い遺書は私たちに何を投げかけているのか。女教師の心に去来する様々な思い、楽曲は一気に最終楽章に入る。
特攻隊員の生き残り風間によって奏でられる第四楽章は「Agitato」、激しく哀しい。引き返してきた特攻隊員にし強いられた苛酷な試練、母の死、戦後の生活はあまりに残酷である。
エピローグは女教師と元特攻隊員と妻の再会である。
静かに美しい第一主題「戦争秘話」の思い出が再び帰ってくる。テンポも「Largo」に戻り、ゆっくりとかつ豊かに語られる。やがてすべてを包み込む母のようなピアノ独奏によるベートーヴェンの『月光』で終曲を迎える。

朗読劇は観客に皆様の想像力にすべてを委ねるところに楽しみがある。
ことに今回の物語のように「戦争」という国家行為最大の愚挙を後の人々は様々なアングルで捉える。
これを一つの虚構「劇」スタイルで作り上げるのではなく、「朗読」という形で観客に提示して、皆様それぞれの批評、批判に委ねるのは一つの方法であると考えてる。歴史の断面をどう切り取り、意味づけるかはまず個人の問題として考えなければいけないからだ。

特攻隊員のエピソードはどれをとっても確かに哀しく切ない。だから私たちはその悲劇をとかく感動のドラマにしがちである。しかし私は彼らを英雄化し、神話化するのにはどうしても抵抗がある。むしろこの二人の特攻隊員も、戦争さえなければただの音楽生、師範学校生だったことに注目する。普通の音楽生がベートーヴェンの「月光」を弾いた。その単純な日常的な行為にのみ焦点を当ててみたかった。音楽生が求めた音楽が与えてくれる安らぎや癒しは私たちにとっても純粋で尊いものであるからだ。その音楽を楽しめる私たちの時代をよりよいものにするためにこのお話はあると考えている。

CAST

以下のメンバーで4名を1グループとし、各地で上演しています。

STAFF

作 : 毛利 恒之

演出 : 鈴木 完一郎・原田 一樹

照明 : 鵜飼 守

効果 : 高橋 巌

制作 : 横川 功

観劇 感想集

わたしもいのちと家族を大切にします。 8歳 女性

とても良かったです。泣けました。私もピアノを習っているので、いつかその曲を弾きたいです。また観たい☆ 10歳 女性

久しぶりに心が洗われるような、又何か懐かしさを覚えました。とても分かりやすく、目の当たりに情景が浮かび、心にしみ込んで来ました。私たちの時代までは、どこか心の片隅に戦争の悲惨さや悲しみが残っていますが、ちょっと前のことなのに、随分遠い昔の話のようで、今の若者には全く関係の無い事のようです。若者に見せたい劇でした。 60代 女性

悲しくて涙が止まりませんでした。「月光」のメロディが体中に響き渡り、素晴らしかったです。死ぬことがわかって怖くない人はいません。遺書にも正直にかけないくらい辛い事はありえないと思います。人をそんな状況にさせる戦争が存在することが、悲しくてたまりません。そのことがとても強く伝わってきました。今なお戦争がある世界に、この過去を生かさなければならないと思います。みなにも観てほしいと思いました。朗読はとても良かったです。目の舞にそのときの情景が浮かんできたので、 舞台よりもリアリティがあるように感じました。 20代 女性

戦争の本当に意味をもっと子供たちに (残し)ゆかり続けて頂きたいと思います。今日は6年生と一緒にきまして、子供もジーンとしておりました。ありがとう。 47歳 男性

日ごろ何気なく生活していますが、こんな悲しいことがあったことを改めて感じました。出来ることは小さいですが、子供たちに出来る限り伝えていきたいと思っています。 31歳 女性

本を読んだように感じることが出来ました。感動を有難うございました 30代 男性

死んだ人、生き残った人もそれぞれ胸打つお話で忘れられません。ピアノもすばらしい!有難うございました。 67歳 女性

すばらしい朗読劇でした。これからも演じ続けてください。月光の曲の第一楽章から入り、場面の変化に伴い第二楽章、第三楽章とうまくそれぞれの楽章を取り入れていました。構成が良かったです。原作・脚本が胸を打ちました。日本中の人々に、世界中の人々に伝えなければならない「月光の夏」でした。4人の演者もピアノ演奏者も自分の事の様に演じていました。私も涙がこぼれました。最後のピアノ演奏、しんみりしました。余韻がありました。 60代 女性

舞台写真

月光の夏 舞台写真
月光の夏 舞台写真
月光の夏 舞台写真
月光の夏 舞台写真
月光の夏 舞台写真
月光の夏 舞台写真