劇団概要
劇団東演の沿革
劇団東演は1959年、故・八田元夫(1976年没)、故・下村正夫(1977年没)の両演出家(※1)を
中心に東京演劇ゼミナール(※2)を発足。1962年に現在の「劇団東演」となる。
スタニスラフスキー・システムの研究と実践を通し、リアリズム演劇の発展と現代社会に鋭く目を向けた創作劇の創造、
近代古典の積極的発掘を旗印に、八田、下村が 交互にその芸術を発表し公演として
品格のある舞台を 創り出してきました。
両演出家が他界した後、1978年に現在の下北沢に本拠地を移し、同時に「東演パラータ」という、小劇場を開設、
創造の拠点を造り 新たな出発をしました。
創造面においても我々の再出発の時、千田是也(劇団俳優座、1994年没)氏が演出を引き受けてくださり、
今までにない新鮮な刺激を 真正面から受け止めました劇団の代表的レパートリーでもあるM・ゴーリキーの「どん底」は
、八田元夫演出で1966年の初演以来全国各地での公演で、東演の「どん底」か「どん底」の東演かといわれるほどに、
そのアンサンブルが醸し出す密度の濃い人間の舞台として定着していました。
1980年に千田是也演出で再創造、その後もたびたび上演されていますがアンサンブルの伝統は脈々と生き続けています。
「パラータ」での創造活動が現在を作る
1978年に現在の地に本拠を移して「パラータ」という小劇場を造り、 そこで精力的に上演活動を続けました。 また1982年に劇場及び稽古場を大改造し、あわせて他創造集団にも開放し、 特に若者の間では工夫された劇場として人気が高まり、多くの集団が利用するようになりました。 我々劇団東演も各月連続講演や集中的な企画公演を次々に上演しています。 俳優を育てる場としても、創造の要の劇場、劇団との一体を大事にしています。 それが創造の充実に結びついていることを改めて感じています。
海外との交流を通して
1981年、当時のソ連の代表的演出家、A・エーフロス氏を招きチェーホフの「桜の園」を上演、翌年には「ナターシャ」と続き、4年間にわたる日ロの演劇交流は閉塞状況の打破に大きな役割を果たしたと思っています。その伝統がベリャコーヴィッチ氏との「ロミオとジュリエット」「モリエール」に受け継がれ、 1996年には「ロミオとジュリエット」でモスクワ、ペテルブルグ公演に 発展し、 その後、2004年にもベリャコーヴィッチ演出の「どん底」でモスクワ、 ペテルブルグ、ニジニノブゴルド公演を行った。また中国との交流も行っており、 「長江」「そして、あなたに逢えた」を上海、武漢、広州で公演。さらに交流は発展し、東京で上海話劇センターとの 「www.com」相互上演(03年)、湖北省話劇院との「臨時病室」相互上演。 今後も交流は発展していく。
ロミオとジュリエット舞台中写真
ロミオとジュリエット集合写真
2002年中国公演集合写真
2007年中国公演集合写真
受賞歴
- 1964年
- 昭和39年度 第十九回芸術祭 文部大臣奨励賞 『飯場』
- 1975年
- 昭和50年度 芸術祭優秀賞 『歌え!悲しみの深き淵より』
- 1983年
- 第七回たねだようすけ私の好きな芝居『朝未来』
- 1988年
- 児童福祉文化賞『リサの瞳の中に』
- 1988年
- 昭和63年 中央児童福祉審議会 特別推薦『翔べ!イカロスの翼』
- 1994年
- 第一回四国市民劇場賞『ロミオとジュリエット』
- 2001年
- 東京労演賞『楽園終着駅』
- 2016年
- 第23回読売演劇大賞 優秀作品賞『廃墟』
- 2016年
- 第二十九回旭川市民劇場賞 朗読劇『月光の夏』
出版
東演50年誌
2009年劇団創立50周年を記念して創刊した50年誌東演60年誌
2019年劇団創立50周年を記念して創刊した60年誌