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ハムレット

この世の関節が外れてしまった!

どうやって治せというのだ?!

STORY

エルシノア城に現れた亡霊。デンマークの王子ハムレットは、
父の死因は現国王の叔父クローディアスの謀略によるものであったことを知らされる。
しかし母ガートルードは何事もなかったように叔父と再婚し王妃として君臨している。
そして父の亡霊と誓った「復讐」にハムレットは苛まれながらも、
母への思いが強まれば強まるほど己の運命を呪い、時には弱気に、時には狂気に走りながら悩みその機会を狙っている。
宰相の娘オフィーリアはハムレットに心を寄せるのだが、ハムレットは・・・

ご挨拶

劇団東演は創立50周年記念公演として『どん底』をベリャコーヴィッチ氏の演出で再演しました。この作品は劇団にとってまさに創造の原点でもあり、老いも若きも誰もが舞台創りに参加し、その時代々々の『どん底』を創り続けて来た作品です。ひとつの作品を長きに亘り再創造を重ねられたのは、観客の皆様の暖かいご支援のたまものであり、また多くのスタッフの努力の積み重ねでした。それが劇団の歴史でもあるとしみじみ思います。
今回新たに『ハムレット』に挑みます。言うまでもなくシェイクスピアの傑作です。東演は1993年から4年間ベリャコーヴィッチ演出で『ロミオとジュリエット』を上演。全国各地での公演でもロシア語と日本語の交錯が思いもかけないドラマを生みました。「果たしてどうなるのか?」との危惧も杞憂に終り、観客の想像力は無限だと実感したものです。演劇の持っている可能性は宇宙ほどの広がりがあり、それへの飽くなき探求こそが創造の源でもあり、喜びでもあると思います。『ハムレット』はその流れの中の大きな一里塚にするべく、演出家ベリャコーヴィッチ氏と共に稽古を重ねてきました。願わくば皆様の心に届くことを念じつつ私たちは幕を開けます。 劇団東演

ハムレット

ワレリー・ベリャコーヴィッチ氏からのお手紙

尊敬する観客の皆様!
劇団東演とモスクワのユーゴザパト劇場は1993年から一緒の舞台を創って参りました。 合同公演だけでもこれまで『ロミオとジュリエット』をはじめ、『三文オペラ』や『どん底』を上演しております。 して今回遂に古今を通じて最高戯曲である、シャイクスピアの『ハムレット』に挑むことになりました。 この公演の舞台が日露文化交流の促進に寄与し、演劇ファンのお気に召して頂けたら、これに勝る喜びはありません。 ユーゴザパト劇場芸術監督 ワレリー・ベリャコーヴィッチ

Profile

1950年8月、モスクワにて生まれる。モスクワの国立教育大学卒業後、さらに国立ルナチャルスキー演劇大学演出学科も卒業し演劇の道へ。1977年にユーゴザパト劇場を創立。ひと癖もふた癖もある俳優たちを集め、1987年、英国エジンバラ演劇祭で『ハムレット』を上演、衝撃的な舞台で一躍世界的な評価を獲得(最優秀賞受賞)。その後アメリカやヨーロッパ公演でますますその存在は不動のものとなる。1990年には日本でも公演(パルコ劇場)。劇団東演とは1993年から『ロミオとジュリエット』をはじめ『モリエール』『三文オペラ』『どん底』等々、精力的にその魅力を縦横に発揮した舞台を創っている。彼が芸術監督として全ての作品を演出してきたモスクワ・ユーゴザパト劇場は今でも切符を取るのが難しいほどの人気劇場である。2002年には「ロシア連邦人民芸術家」の称号を授与された。ユーゴザパト劇場ではレパートリーとしては『ロミオとジュリエット』『検察官』『巨匠とマルガリータ』『かもめ』『カリギュラ』『マクベス』など30本を越える作品を日替わりに上演している。2011年3月、劇団東演公演で上演した『ハムレット』はベリャコーヴィッチ演出の鋭さ、現代性が全てが凝縮した刺激的な舞台となり今後も上演は続く。そして2011年9月、スタニスラフスキー劇場の主席演出家にも就任。

演出家ベリャコーヴィッチ氏 手紙

東演とベリャコーヴィッチ

木山潔演劇プロデューサー/木山事務所

ベリャコーヴィッチ氏とはこれまでに東京と尼崎と福岡で3度会っている。といっても会話らしきものはなくて、ただ挨拶を交わしただけだが、そのたびににこやかで温かな気持ちを感じられた。太めの身体で童顔で、澄んだ瞳がチャーミングな人なので、日本でも女性ファンが多いと聞いているがうなずける。そんな彼が稽古に入ると鬼の形相に変わり、俳優やスタッフに強烈な言葉を吐いて稽古場は修羅場と化すらしい。彼自身が優れた俳優でもあるので、日本人俳優の淡白な振舞いに苛立っている様子が想像できる。ロシア人ではないのだから、そうは言われてもなあ、などという考えは木端微塵に打ち砕かれること必定だ。彼には「妥協」という言葉がないのか、「まあまあ」という言葉がロシア語にはないのか・・・。

東演はベリャコーヴィッチ演出の『どん底』で九州演劇鑑賞団体連絡会議(九演連)の例会で42ステージ巡演した。演劇鑑賞会(元労演)とは、北海道から九州まで12ブロックで構成された会員制による鑑賞組織で、年間1600ステージ、16万人近くの会員がいる(演劇ジャーナリズムはこの稀有で巨大な組織にもっと関心を持つべきだと思う)。新劇団はこのブロックの例会に選ばれるために鎬を削っている。そこに『どん底』が入り込むのは誰しも困難に思えたし、危険な冒険に思われた。ところが畏友・横川功プロデューサーの長年に渡っての声涙倶に下がる情熱が功を奏して、ついに実現に漕ぎ着けた。この作品に命運を賭けた東演と、それを受け止めて立ち力を尽くした九演連には、ともにアッパレといわなければならない。その後、中部北陸と首都圏ブロックを巡演する。演劇鑑賞会は、いま高いハードルを越えようとしている。めったに見られない芝居を全国の人たちに観ていただけることは、我々創造する側にとっても大きな喜びである。

『ハムレット』にも触れたいのだが、私は評論家ではないので多くを語ることができない。が、私にとっては1990年にパルコ劇場で観た『ハムレット』の衝撃は今でも忘れ難い。そこで初めてベリャコーヴィッチという偉才の名前を知った。70年代に観た鈴木忠志の『バッコスの信女』やピーターブルックの『夏の夜の夢』などと同じようなショックを受けた。いずれも日本演劇の常識を覆しダイナミックな様式に圧倒された。創造とは才気とは、このようなものかと目が開かれて、うなされた。

 今度の『ハムレット』は新進だったベリャコーヴィッチ氏が本場の演劇ファンを魅了し、世界デビューを果たした舞台(87年英国エジンバラ演劇祭最優秀賞)だが、今回の日本再演に当たっても、きっと新たな感動を呼び起こしてくれるに違いない。1977年にモスクワの街外れに自立劇団ユーゴザパト劇場を立ち上げて以来、競争が激しいモスクワ演劇界でひとり吼え続けて、すでにロシア人民芸術家の称号を得た。訳・コーディネーターの佐藤史郎氏(この人がいないとベリャコーヴィッチの舞台は成り立たない)によると、功成り名を遂げても彼は、日夜勉強を怠らずひたすら演劇のみに集中しているとのこと。全身これ演劇の塊だ。

 光と闇の中で、計算された荒々しい動きとメリハリの利いた台詞廻しと、間断のない身体の揺らぎが世界の不気味な鼓動を伝えて、人間の生と死の真実に迫る『ハムレット』を、再び見ることができる。激しい舞台に身をゆすぶられた後に、白樺の大地を吹き抜ける風を感じ取れるだろうか。その風はベリャコーヴィッチ氏が胸底にたたえているロマンチシズムの滴りから自然発生した演劇にあってアウトローであること、前衛であることが、芸術家の本当であることを教えてくれるベリャコーヴィッチ氏の唯我の志にシャッポを脱ぐ。

 最後に、今回の出演者とスタッフの皆さんの奮励努力をたたえるべく、開幕ベルを待っている。 2011.3 初演パンフレットより

2014年公演

CAST

クローディアス
能登 剛
ハムレット
南保 大樹
ポローニアス
豊泉 由樹緒
ホレイショー
橘 憲一郎(フリー)
レアティーズ
M・ドラチェーニン(ユーゴザパト劇場)
ローザンクランツ/フォーティンブラス
清川 佑介
ギルデンスターン
S・メドベージェフ(スタニスラフスキー劇場)
マーセラス/牧師/旅の一座
奥山 浩
バーナードー/旅の一座
歌野 貴仁
フランシスコー/旅の一座
飯田 光
劇中の王妃/旅の一座
腰越 夏水
墓堀/劇中の国王
内田 龍磨(Pカンパニー)
墓堀/旅の一座
星野 真広
ガートルード
早野 ゆかり(俳優座)
オフィーリア
古田 美奈子
亡霊/旅の一座
村上 博(俳優座)
女官
岸並 万里子
女官
小川 由樹枝
女官
大川 綾香
オズリック/旅の一座
原野 寛之

STAFF

W.シェークスピア
翻訳
外塚由利子 佐藤史郎
翻案・演出・美術
V.ベリャコーヴィッチ
照明
V.クリモフ (協力:鵜飼守)
音響
A.ロプホフ (協力:高橋清志)
衣装
A.プーシキン
舞台監督
A.プーシキン
衣装
相川聡
宣伝美術
コガワ・ミチヒロ
写真撮影
根岸ふじ枝
コーディネイト
佐藤史郎
宣伝美術
横川功

公演スケジュール

日付 場所 主催 会場 公演数
2/12〜2/13 奈良県 奈良市 奈良演劇鑑賞会 奈良県文化会館国際ホール 1
2/14 大阪府 岸和田市 阪和演鑑協 岸貝演劇鑑賞会 貝塚市立文化会館 1
2/16〜2/17 京都府 京都市 京都労演 京都府立府民ホールアルティ 1(2/17は2)
2/18 大阪府 阪南市 阪和演鑑協 泉南演劇鑑賞会 阪南市立文化センターサラダホール 1
2/19 和歌山県 紀の川市 紀北演劇鑑賞会 紀の川市粉河ふるさとセンター(大ホール) 1
2/21〜2/22 和歌山県 和歌山市 阪和演鑑協 和歌山演劇鑑賞会  和歌山市民会館(大ホール) 1
2/23〜2/25 兵庫県 神戸市 神戸演劇鑑賞会 神戸文化ホール(中ホール) 1
2/26〜2/27 兵庫県 姫路市 姫路市民劇場 姫路市民会館(大ホール) 1
2/28 滋賀県 彦根市 ひこね演劇鑑賞会 ひこね市文化プラザ 1
3/5〜3/9 東京都 世田谷区 劇団東演 本多劇場 1
3/11〜3/13 山口県 下関市 下関市民劇場 下関市生涯学習プラザ(海のホール) 1
3/15〜3/22 福岡県 北九州市 北九州市民劇場 北九州芸術劇場(中劇場) 1(3/18は2)
3/24 福岡県 直方市 直方市民劇場 ユメニティのおがた(大ホール) 1
3/25〜3/26 福岡県 飯塚市 飯塚市民劇場 飯塚コスモスコモン(中ホール) 1
3/27 福岡県 田川市 田川市民劇場 田川文化センター 1
3/28 大分県 別府市 別府市民劇場 ビーコンプラザフィルハーモニアホール 1
3/29〜3/30 大分県大分市 大分市民劇場 iichiko総合文化センター音の泉ホール 1
4/1〜4/3 熊本県 熊本市 熊本市民劇場 熊本県立劇場演劇ホール 1
4/4 熊本県 人吉市 ひとよし・くま市民劇場 カルチャーパレス(大ホール) 1
4/5〜4/6 鹿児島県 鹿児島市 鹿児島市民劇場 鹿児島県文化センター(宝山ホール) 1
4/7 宮崎県県 都城市 都城市民劇場 都城市総合文化ホール(中ホール) 1
4/8 宮崎県 宮崎市 宮崎市民劇場 アルファあなぶきホール(大ホール) 1
4/10〜4/14・4/16 福岡県 福岡市 福岡市民劇場 ももちパレス 1(4/14は2)
4/18〜4/20 佐賀県 佐賀市 佐賀市民劇場 佐賀市民会館 1
4/21 長崎県 佐世保市 佐世保市民劇場 佐世保市民会館 1
4/22 長崎県 諫早市 大村諫早市民劇場 諫早文化会館 1
4/23 長崎県 島原市 島原市民劇場 島原文化会館 1
4/24〜4/26 長崎県 長崎市 長崎市民劇場 長崎市公会堂 1
5/8 長野県 長野市 長野市民劇場 ホクト文化ホール(中ホール) 1
5/9 長野県 大町市 北アルプス市民劇場 大町市文化会館(エコホール) 1
5/12 長野県 諏訪市 すわ湖市民劇場 下諏訪総合文化センター 1
5/13〜5/14 長野県 上田市 上田市民劇場 上田市民会館 1
5/15〜5/16 長野県 松本市 まつもと市民劇場 まつもと市民芸術館 1
5/19〜5/21 愛知県 名古屋市 名古屋演劇鑑賞会 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール 1
5/22 愛知県 岡崎市 岡崎演劇鑑賞会 岡崎市民会館 1
5/23 愛知県 知多市 ちた半島演劇鑑賞会 知多市勤労文化会館 1
5/25 愛知県 江南市 尾北演劇鑑賞会 江南市民文化会館(大ホール) 1
5/27 三重県 伊勢市 いせ演劇鑑賞会 伊勢市観光文化会館 1
5/28 三重県 津市 津演劇鑑賞会 三重県総合文化センター(中ホール) 1
5/29 三重県 四日市市 四日市演劇鑑賞会 四日市市文化会館(第2ホール) 1
5/30〜5/31 岐阜県 岐阜市 岐阜勤労者演劇協議会(岐阜労演) 岐阜市民会館(大ホール) 1
6/1 愛知県 稲沢市 いなざわ演劇鑑賞会 名古屋文理大学文化フォーラム 1
6/3〜6/5 愛知県 豊橋市 豊橋演劇鑑賞会 穂の国とよはし芸術劇場(プラット) 1
6/6 愛知県 幸田町 幸田演劇鑑賞会 幸田町民会館さくらホール 1
6/7 岐阜県 大垣市 大垣演劇鑑賞会 大垣市民会館 1
6/9〜6/10 富山県 富山市 富山演劇鑑賞会 富山県教育文化会館  1(6/10は2)
6/11〜6/12 富山県 高岡市 高岡演劇鑑賞会 富山県高岡文化ホール 1
6/13 富山県 魚津市 魚津演劇鑑賞会 新川文化ホール 1
6/15 石川県 金沢市 金沢市民劇場(金沢会場) 金沢市文化ホール 1
6/16 石川県 野々市 金沢市民劇場(野々市鑑賞会) 野々市市文化会館フォルテ 1
6/18〜6/19 富山県 砺波市 となみ演劇鑑賞会 砺波市文化会館 1
6/21 神奈川県 川崎市 川崎さいわい市民劇場 幸市民館 1
6/22 神奈川県 横須賀市 横須賀演劇鑑賞会 横須賀市文化会館(大ホール) 1
6/23〜6/24 神奈川県 川崎市 川崎市民劇場なかはら 川崎市総合福祉センターエポック中原 1
6/26 神奈川県 茅ヶ崎市 NPO法人 茅ヶ崎演劇鑑賞会 茅ヶ崎市民文化会館 1
6/27 神奈川県 海老名市 海老名演劇鑑賞会 海老名市文化会館 1
6/28 神奈川県 藤沢市 NPO法人 藤沢演劇鑑賞会 藤沢市民会館(大ホール) 1
6/29 神奈川県 平塚市 ひらつか演劇鑑賞会 平塚市中央公民館 1
6/30 神奈川県 川崎市 たま・あさお市民劇場 多摩市民館 1
7/3〜7/4 神奈川県 鎌倉市 NPO法人 鎌倉演劇鑑賞会 鎌倉芸術館(大ホール) 1