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2023年 新年のご挨拶

2023年 新年のご挨拶

ごあいさつ

 昨年は何といっても、ロシアのウクライナ「侵略」が全世界に政治、経済、命、平和、文化をはじめ、悲しいことに人々の生活に大きな悪影響を引き起こしました。大きな怒りが渦巻きました。
 しかし思えば今でも世界各地では武力による紛争が後を絶たない状況なのです。そのせいでしょうか、遅れてなるものかと我が日本も、敵基地攻撃能力も許容する大転換を何の議論も経ずに、強権的に閣議決定という姑息な手段で推し進めているのが現在です。
 彼らがよく言っていた「専守防衛」をもかなぐり捨てての暴挙としか言いようがなく、その結果どうなるか、想像力の欠如した面々にはまったく未来が見えていないのだろうとそら恐ろしさを感じてしまいます。

 

 新年早々こんなご挨拶をしてしまいましたが、私たち多くの庶民は誰もそんなことを望まず、核もない平和で、隣の人を思いやる世界を願い、生きる喜びを世界の人々と分かち合える未来を願っているのです。そんなユートピアは夢物語と、一笑に付してしまう人々が考えた未来が敵基地攻撃なのでしょうか。余りに短絡的で悲しい未来です。
 そのために増税を準備し、税率を変更しないで実質増税の「インボイス制度」で多くの俳優やスタッフ、劇団、零細企業から消費税をかき集めるのでしょう。つまりそのツケは結局国民に回されてくるのです。それだけに自分たちの願いは声に出し続けないと、気が付いた時には手遅れに・・・・、なんてことだけは止めなければなりません。
 歴史は繰り返す、のではなく時として人間が誤ってしまうのです。劇団創立60周年の時に上演した『まだ今日のほうが!』(八田元夫/作)や続演中の『獅子の見た夢』のような時代にならないように、今年も皆さんとともに輝く想像力と感性に一段と磨きをかけ、積極的に創造活動を展開していき、またおかしいと思うことはきちっと意思表示していきたいと思います。ご一緒に今を乗り超えていきましょう。

 

 今年こそは世界も、皆さんの一年も健やかでありますよう、劇団員一同心より祈念しております。

2023年1月1日
劇団東演