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2024年 新年のご挨拶

2024年 新年のご挨拶

ごあいさつ

 2024年、皆さまには今年も無事に新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
 しかし例によって異常気象が常識のなか、北国ではドカ雪で難渋されているとのニュースも流れています。また、世界の各地では、年末も新年も関係なく戦火が絶えません。そこでは子供たちや女性、武器を持たない人々の命が日々奪われています。一日でも一時間でも早く、停戦、終結を訴える世界の声なき声はますます大きくなっています。
 今は21世紀です。この現実はやっぱり不条理と言うしかありません。
 私たちも、たとえ小さくても声を挙げ続けなければと心底思う毎日です。

 

 沖縄県民が何年にもわたって「辺野古の米軍基地新設」工事の中止、基地新設反対の意志を示してきたことに対して、国はこの年末に【代執行】と言う強権で県民の意志を踏み潰す暴挙で応じました。口では地方自治の尊重と言いながらです。
 そのニュースと、中東やウクライナでの惨劇が並行して流れる恐ろしさをあらためて感じ、決して見過ごしてはいけないこととして日々を過ごしたいと思います。

 

 今年は新劇の出発点とも言える「築地小劇場」が開場(1924年6月)してから100周年にあたります。
 当時はご存知の通り日本は海外への膨張政策が主流でした。当然、治安維持法などで表現の自由は年毎に制限され、その取り締まりの速度は計り知れないものでした。検束、投獄、それでも新劇の先達は芝居を棄てることなく、知恵の限りを尽くして活動を繋いだのです。
 それから100年、いま私たちはそんな先達のロマンを、どのように受け継ぎ発展させていけるのか、今年は特に意識しながら公演活動を展開していきたいと思っています。

 

 スマホ全盛の世の中ですが、AIでは絶対に創り出せない、人と人とが手と脳髄で創り出す演劇は、逆に魅力ある時代の最先端を行っていると確信しています。未来ある若者が奮って創作活動に参加してくれることを期待して、また皆さまのこの一年のご健勝をお祈りし、新年のご挨拶を申し上げます。

2024年1月1日
劇団東演