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公演記録

劇団東演 第172回公演『貧乏物語』

貧乏物語 貧乏物語

 昭和9年(1934年)の春。東京市中野区相生町の借家。マルクス経済学者・河上肇博士の留守宅に、以前女中として奉公していた田中美代が訪ねて来る。かつて知ったる留守宅に上がり込み、先生の肖像写真に深々と頭を下げ、「この度は小菅で懲役5年のお勤め、誠にご苦労様でございます。先生は昔から胃腸がお弱かったので、お食事にはどうぞお気をつけてくださいまし」と話しかける……。監獄での食事、どう気をつけたらいいのかは不明。
 すると襖の奥の方でコトリと音が! 恐る恐る開けてみるとパジャマ姿の金澤クニが顔を出す。なんと彼女は新劇女優だと言う……。さらに間を置かず、以前河上肇夫妻に結婚を祝福してもらった竹内早苗も訪ねて来る。娘のヨシ、今の女中の初江も一足早く戻って来て再会を喜び、留守宅は一気に賑やかに……。そんな華やいでいるところに、河上ひでが面会を終え帰宅、「まあまあ、懐かしいお顔が二つも揃って」と、お昼はみんなでカレーライスにしましょうと益々賑やかに。そしてこんな時代です。一人一人の抱えている悩みが次第に明らかになっていくのだった……。

『貧乏物語』は勿論、井上ひさしの戯曲ですが、物語の発端は舞台に登場しない経済学者、河上肇の『貧乏物語』です。今から110年前、第一次大戦のさなかに連載されたこの評論は、格差と貧困の構造を掘り起こし「貧乏」が個人の努力の問題ではないこと。精神論、幸福論では「貧乏」を糊塗しえないと説きました。河上はその後マルクス経済学へ。地下活動中に検挙され、獄中生活は4年半。その留守宅の物語が、女たちだけの『貧乏物語』です。その後1世紀、私たちは相変わらず「貧困」の中にいます。世界の混迷はより深く、将来の不安に簡単な解決は見つかりません。ただ、私たちの知るのは、登場する6人の女性のように、この世界にたくましく進んでいくことだけです。[演出・原田一樹]

井上ひさし
演出 原田一樹
公演日 2026年5月27日(水)~6月7日(日)
公演場所 東演パラータ
下北沢駅より徒歩15分(開演40分前より送迎車あり)
CAST 酒田真弓(河上ひで)、宇坂ひなの(河上ヨシ)、石上清か(加藤初江)、光藤妙子(田中美代)、中花子(田中美代)、小池友理香(竹内早苗)、東さわ子(金澤クニ)
STAFF 乘峯雅寛(美術)、古宮俊昭(照明)、三枝竜(音響)、有島由生(衣裳)、村松丈彦(宣伝美術)、八木澤賢(舞台監督)、横川功(制作)

チケット状況

未就学児の入場はできません。 ※客席開場は開演の30分前
★…アフタートークあり[演出家・出演者]  ダブルキャスト光藤/
○…販売中
▲…残席わずか
×…前売券完売
(4月2日現在)
5月27日(水) 28日(木) 29日(金) 30日(土) 31日(日) 6月1日(月) 2日(火) 3日(水) 4日(木) 5日(金) 6日(土) 7日(日)
14:00
19:00
お席状況

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